着物を着だして、帯締めを色々見ているとよく目にするようになるのが五嶋紐。
五嶋紐とは日本の伝統工芸品に指定されている組紐で、草履の鼻緒や帯締めに使用されています。
今回は、五嶋紐について実際に使ってみた使用感などを交えてご紹介します。
目次
五嶋紐(ごとうひも)とは
五嶋紐は、故 五嶋敏太郎により確立された組紐。
昭和35年に文化庁から無形文化財の指定を受けた、日本初の伝統工芸品です。
五嶋紐は、戦国時代、兜の緒に使われていた組紐の技法で組まれています。
手組みなので動きにあわせて伸び縮みし、締めるとしっかり締まり、かつ緩みにくいという特徴があります。
皇室に献上する草履の鼻緒に使われたこともあり、鼻緒・帯締めとして人気の組紐です。
五嶋紐の魅力とは
手組みならではの締めやすさ
五嶋紐は伝統工芸品であり、すべて手組みでつくられています。
手組みの組紐というのは職人の絶妙な力加減で密に糸が組まれており、機械組に比べると動きがしなやかで締めやすいです。
上画像のように手組みの帯締めは形を曲げても重力に逆らってしっかり形状を維持するぐらい密に組まれています。
そのため、締めるときはしっかり締まり、締めた後はそのまま形を維持して緩みにくいというメリットがあります。
色柄の種類の多さ
五嶋紐は作られている色や柄がとても豊富です。
色や柄によってカジュアルからフォーマルまでそろっているので、五嶋紐だけですべてのシーンに対応できるといっても過言ではありません。
手組みの帯締めが欲しいと考えている方は、まずは五嶋紐で探してみるのがベストです。
五嶋紐の主な帯締めの種類
冠組(ゆるぎぐみ)
冠組(ゆるぎぐみ)は最も一般的な帯締めの種類で、第一礼装以外の着物と帯に合わせられます。
冠(ゆるぎ)とは平安時代に高貴な人々の冠の緒に使われた伝統的な組紐からその名がきており、知らないとなかなか読めませんね。
角組で厚みが少しあり、中央に直線のくぼみがあるのが特徴です。
笹浪組
笹浪組は、平らに組んであるフラットな形状の帯締めです。
ヘリンボーンという柄の生地にも似た模様で、V字に色が連なっています。
高麗組
高麗組は刀の下緒などに多く用いられていた組紐の種類で、しっかりとした作りになっています。
平らな平組で柄は上品なものが多く、幅広いシーンで活用できます。
三分紐
三分紐は帯留をつける際に使う帯締めで、通常の帯締めよりも幅が狭くなっています(幅が三分なので三分紐)。
通常の帯締めは前で結びそのまま結び目を見せますが、三分紐は結び目を帯のなかに隠します。
平組(金銀糸入り)
平らな平組で組んであり、金銀糸が組み込まれているものは礼装用となります。
留袖や訪問着などフォーマルな場で着る着物で合わせるのに最適です。
五嶋紐は歴史のある伝統工芸品
五嶋紐は日本初の伝統工芸品で、とても歴史の長い組紐です。
歴史のある素晴らしい工芸品であるとわかると、より身に着けられる喜びが深くなると思います。
今回ご紹介した五嶋紐の種類は一部ですので、興味のある方はいろんな種類の五嶋紐を探して試してみてくださいね。